「満たされない」と感じている女性へ

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。
「満たされない」という感覚は、言葉にしにくいものです。
何が足りないのか自分でもはっきりしない。贅沢な悩みな気もする。でも、確かに物足りない。パートナーがいても感じることがあるし、いなくても感じる。クロスブルーへの相談でも、「うまく言えないけど満たされていない」という入り口の人は少なくありません。
この感覚を「わがまま」で片づけてしまうと、行き場がなくなります。まず、物足りなさの中身を分けて見てみます。
物足りなさは、体の話とは限らない
「満たされない」と聞くと、回数や行為の話だと思われがちです。でも、相談を聞いていると、物足りなさの中心はそこではないことが多い。
「自分の感覚を、ちゃんと見てもらえている気がしない」。「望んでいることを言えないまま終わっている」。「快感の上限が、なんとなく分かってしまった」。こうした、関わり方や手応えの薄さが、物足りなさの正体であることがよくあります。一度きりの行為で得られる気持ちよさには上限がある、という話は「中イキできない」をひとりで抱えてきた方へにも書きました。
体の問題だと思い込むと、解決の方向を見失います。中身を見ると、別の道が見えてきます。
刺激が足りないのか、見てもらえていないのか
物足りなさを分けるとき、役に立つ問いがあります。「もっと激しければ満たされるのか」、それとも「自分の感覚を分かってもらえれば満たされるのか」。
前者なら、行為の幅の話です。後者なら、関わり方の話です。相談を聞いていると、答えは後者に寄ることが多い。同じことをしても、こちらの様子を見てくれる相手と、そうでない相手とでは、終わったあとに残るものがまるで違います。「激しさ」を足すより「見てもらえる」を足す方が、満たされなさにはよく効きます。
言えないまま終わっている、という構造

満たされない人に共通しているのは、「望みを言えていない」ことです。
何が気持ちいいか、何を試したいかを、相手に伝えられないまま終わっている。伝えれば関係が気まずくなる気がして、飲み込む。すると、相手はこちらの本当の望みを知らないまま進める。当然、ずれたままになる。この繰り返しが、物足りなさを固定します。パートナーに言えない構造はパートナーに言えない性の悩みは、どこで話せばいいのかに書いています。
つまり、満たされなさの一因は、望みを安心して言える場がないことにあります。
まず、望みを言葉にしてみる
クロスブルーが相談と面談から始めるのは、この「望みを言葉にする」練習の場でもあります。
何が物足りないのか、何を望んでいるのかを、否定されずに話してみる。それだけで、自分でも気づいていなかった望みがはっきりすることがあります。「言えた」という経験が、その後の関係を変えることもある。試すかどうかは、ずっと後の話で構いません。話すだけで終えてもいいことは女性の参加・相談の流れに書いています。
満たされなさは、わがままではありません。自分の感覚に正直であろうとしている、というだけのことです。それを否定しないことを、クロスブルーは大切にしています。
よくある質問
Q. 何が不満なのか、自分でも分かりません。
それで大丈夫です。「うまく言えない」状態から、言葉にする手伝いを始められます。最初からはっきりしている必要はありません。
Q. パートナーがいるのに満たされない、というのは悪いことですか?
悪いことではありません。関係を否定する話でもありません。望みを言葉にできると、今の関係に返っていくこともあります。
Q. すぐに何かを試したいわけではないのですが。
試さなくていいです。話すだけで終える方は珍しくありません。あなたのペースで構いません。
運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。