過去の性的な経験が、消化できていない方へ

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。

過去の経験が引っかかったまま、性と向き合えずにいる人がいます。

嫌な経験、納得できないまま終わった関係、自分の意思が尊重されなかった出来事。それが消化できないまま、性そのものが怖くなったり、逆に投げやりになったりする。クロスブルーへの相談でも、こうした背景を持つ人は静かに一定数います。

最初に、大事なことを書いておきます。ここは、治療やカウンセリングの代わりにはなりません。そのうえで、できることはあります。


まず、専門の支援が必要なこともある

過去の経験が、日常生活や心身に強く影響している場合は、専門のケアが必要なことがあります。

フラッシュバックがある、眠れない、思い出すと体が反応してつらい。そうした状態は、サークルで扱える範囲を超えています。心療内科やカウンセリング、性暴力被害者支援の窓口など、専門の支援につながることを、まず一番にすすめます。クロスブルーは、その役割を肩代わりできるふりをしません。

ここを正直に書くことが、安全だと思っています。何でも引き受けます、と言う場所の方が危ない。


こわくなる人も、投げやりになる人もいる

過去が消化できないとき、反応はひとつではありません。性が怖くなって遠ざける人もいれば、逆に、どうでもよくなって投げやりに重ねてしまう人もいます。

どちらも、自分を守ろうとした結果であることが多い。怖さは近づかないことで、投げやりは何も感じないことで、それ以上傷つかないようにしている。だから、どちらの状態も責める必要はありません。「自分はおかしい」ではなく、「そうやって守ってきた」と見る方が、実態に近いと思います。


「急がせない」が、何より効く

過去を急いで上書きしない、止まれる関わりを示す抽象図

そのうえで、クロスブルーにできることがあるとすれば、「急がせないこと」です。

過去に傷ついた経験の多くには、「自分のペースを無視された」という共通点があります。だからこそ、急かされないこと、いつでも止まれること、断れることが、回復とは言わないまでも、安心の土台になります。クロスブルーが相談と面談から始め、いきなり参加を求めないのは、この急がせなさを設計に入れているからです。流れは女性の参加・相談の流れに書いています。

「話すだけで、今は何もしない」を、いくらでも続けていい。それが、過去を抱えた人にとっては大事な前提になります。


話せなかったことを、話せる場として

性的な経験を、誰にも話せずに抱え続けている人は多いです。恥や自責が混じって、言葉にできない。

安心できる場所で、否定されずに一度言葉にできると、抱えていたものの形が少し変わることがあります。これは治療ではありませんが、「ずっと言えなかったことが言えた」こと自体に意味がある。性のことを話せずに抱えてきた感覚は性の悩みをひとりで抱えてきた女性が相談を決めた理由にも書きました。気持ちを置き去りにしないアフターケアの考え方は行為のあとに、落ち込んでしまう人へに書いています。

何かを試すことは、ずっと先の、別の話です。あるいは、ずっとしなくてもいい。


よくある質問

Q. トラウマがあっても相談していいですか?

相談は構いません。ただし、日常や心身に強く影響している場合は、まず専門のケアにつながることをすすめます。サークルは治療の代わりにはなりません。

Q. 過去のことを、詳しく話さないといけませんか?

話したくないことは話さなくて大丈夫です。話せる範囲で、話せるときに、という前提です。

Q. 性が怖いのに、来てもいいのでしょうか。

来てもいいですが、無理に克服しようとしなくて大丈夫です。「話すだけ」「今は何もしない」をいくらでも続けられます。急がせません。


運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。

まずは、話すところから。

参加するか決めていなくても大丈夫です。不安なことからご相談ください。

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