セックスサークルに参加するとどうなる?16年の運営者が語る実際のところ

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。
「セックスサークル 体験談」で検索しても、出てくるのはたいてい、口コミサイトに断片的に載っている感想か、内容の真偽がよくわからない投稿ばかりです。実際に運営していた人間が「参加するとこうなります」と正直に書いたものは、あまりない。
だから書きます。16年でクロスブルーに相談してきた人たちから聞いてきたこと、自分が見てきたことを、できるだけ具体的に。
参加者の個人情報を守る必要があるため、特定の人物の話をそのままここに書くことはしません。ただ、長年にわたって多くの人の声を聞いてきた立場から、「多くの場合こうだった」ということは書けます。
最初の一通を送る前
「問い合わせてみようかな」と思ってから、実際に送るまでにかなりの時間がかかる人が多い。これは、相談の中でよく聞く話です。
「変な人だと思われないか」「申し込みだと思われて、断れなくなるのでは」「もし知り合いに見られたら」——こうしたことが頭をよぎって、何度かページを閉じてからやっと送った、という方が少なくありません。
実際に送ってみると、「思っていたよりずっと普通だった」という感想をもらうことが多い。問い合わせフォームからの最初のメッセージは、ニックネームだけで大丈夫ですし、「まだ何も決めていないのですが」という書き出しで十分です。何かが決まるわけでも、流れが始まるわけでもない。送ってみて初めて、それがわかる。
「もっと早く送ればよかった」という言葉を、これまでに何度も聞いてきました。逆に言うと、「送るのをためらっている時間」が一番しんどい、ということでもあります。送ること自体には、それほどのリスクはありません。
メールのやりとりと面談
最初のやりとりは、メールや問い合わせフォームを通じて進みます。クロスブルーからの返信には、「どんなことを考えていますか」「何か気になることはありますか」という問いかけが入ることが多い。
ここで正直に書いていただけると、面談の内容がぐっと変わります。「まだよくわかっていない」でも、「実は過去にこういう経験があって不安なのですが」でも、どちらでも構いません。メールのやりとりは、情報を集める場というよりも、少しずつ信頼できるかどうかを確かめる場です。こちらも同じように、この人と実際に会うことが適切かどうかを、やりとりの中で見ています。
面談は、都内のカフェなど公共の場所で行います。
面談に来る前の状態を聞くと、「緊張した」「変な場所に連れて行かれたらどうしようと思った」という声がある一方で、「正直そんなに怖くなかった」という声もあります。後者は、メールのやりとりを通じてある程度どんな人かが伝わっていたから、ということが多い。
面談で話す内容は、その人によってかなり違います。「性的なことに興味はあるが、どこから始めていいかわからない」という人もいれば、「過去の経験を踏まえて今後どうしたいか考えている」という人もいる。こちらから「こうしましょう」と提案することはなく、その人が話したいことに沿って進みます。面談が終わった後に「すっきりした」という感想をもらうことがあるのは、たぶんそのためです。面談だけで終わっても、それで十分なことがあります。
「面談の後、帰り道に少し泣いた」という方もいました。性のことをどこにも話せず、ずっと抱えてきたものが、初めて言葉になった。そういうことが、面談の場で起きることがあります。
初めての活動
面談を経て実際に活動に進む場合、当日の流れをあらかじめ話し合ってから動くのが基本です。「当日どんな流れになりますか」という確認を事前にできます。
初回に感じることとして、よく聞く言葉があります。「想像していたよりずっと普通だった」というものです。
「セックスサークル」というワードからは、いかがわしい空間や強引な雰囲気を想像する方もいます。しかし実際には、最初に会って少し話すところから始まります。「今日はここまで」という線引きを最初に確認してから進む。雰囲気が急かされることはなく、「気が乗らなければやめていい」という前提が最初から会話に含まれています。
「拍子抜けした」「もっとドキドキするものだと思っていた」という感想も聞きます。これは裏を返すと、安心して関わることができた、ということでもあります。「普通に人と会っている感じだった」という言葉も、悪い意味ではなく出てきます。非日常的な「事件」を期待して来ると拍子抜けするかもしれませんが、信頼できる人と安心して過ごせる場は、そもそもそういうものだと思っています。
一方で、「思ったより自分の気持ちが複雑だった」という声もあります。「いざやってみると、感情が追いつかなかった」「終わった後、少し落ち着かない気持ちになった」という感想です。こうした感覚は、異常なことではありません。初回に限らず、繰り返し起きることもあります。そういう気持ちが出たときに「次の機会に話してほしい」と伝えているのはそのためです。
参加した後に多くの人が感じること
初回の後に「どうでしたか」と聞くと、反応はさまざまです。ただ、繰り返し聞こえてくる言葉があります。
「誰かに話せた、ということが一番よかった」という声は、意外と多い。「セックスのことを、安心して話せる場所がなかった」という人にとって、面談の場でそれができたこと自体が、活動の内容とは別の意味を持つことがあります。「性の話を、こんなに普通にできると思っていなかった」という言葉が出てくることもあります。
「また来ていいんだとわかった」という感想も印象に残っています。1回きりではなく、関係を続けることができる場だとわかった時点で、少し気持ちが変わる人がいます。「次はどんな話をしようか、帰りの電車の中で考えていた」という方もいました。
「怒られなかった」という言葉が出ることも、ときどきあります。自分の欲求や好奇心を話したときに、否定されなかった。それが意外だった、という感想です。普通の会話の中ではなかなか出てこない話が、ここでは出せた。その経験が、「また来たい」という気持ちにつながることがあります。
続けることで変わること

数ヶ月、あるいは1年以上続けてきた人から聞く話は、初回の感想とはかなり違います。
「最初はどう振る舞えばいいかわからなかったが、慣れてくると自分のペースで動けるようになった」。「自分が何を望んでいるかが、少しずつ言葉にできるようになった」。こうした変化を話してくれる人がいます。
「セックスのことを、パートナーとも以前より話せるようになった」という声もあります。サークルでの経験が、他の関係に影響を与えたということです。クロスブルーが継続的な関係を大切にしている理由のひとつは、一度きりの体験よりも、時間をかけて積み重なるものの方がずっと豊かだという実感があるからです。継続的な関係について詳しくは、継続的な関係を持つとはどういうことかに書いています。
長く続けている人に共通していることをひとつ挙げると、「焦っていない」ことだと感じます。最初から「何かを得なければ」「今日は必ず何かしなければ」と思って来る人は、意外と長続きしない。「ここに来ること自体が心地よい」という感覚が積み重なっていく人の方が、長く関わり続けます。
「性についての自分の考え方が、以前とは変わった気がする」という話を聞くこともあります。何が変わったのかを言葉にするのは難しいが、「前より怖くなくなった」「前より自分のこととして考えられるようになった」という変化です。それが参加の目的ではないにしても、結果として起きることがあります。
「自分には合わなかった」という場合
参加してみて「自分には合わないな」と感じることがあります。それは問題ではありません。
合わないと感じるパターンで多いのは、「思っていたよりずっと人見知りで、話すこと自体がしんどかった」というものです。クロスブルーは人との関係を基本にしているため、一対一の対話や継続的なやりとりが苦痛な場合は、合いにくいかもしれません。
「気持ちは動かなかった」という場合もあります。「悪くはなかったが、特に惹かれるものがなかった」という感想です。それを伝えてもらうことで、次に何をすればよいかを一緒に考えることができます。
途中でやめても何も残りません。参加費は頂いていないので、「払ったのに」という感覚も起きない。「やっぱり違った」は、十分な理由です。
合わなかったと感じた場合でも、「なぜ合わなかったか」をある程度整理できると、次に自分がどういう場を求めているかが見えてくることがあります。クロスブルーで聞いた話が、別の場所や関係への手がかりになることもあります。参加したことが無駄になるわけではない、と思っています。
よくある質問
Q. 参加するまでに、どのくらいの期間がかかりますか?
人によってかなり違います。最初の問い合わせから1週間以内に面談に来る方もいれば、3ヶ月かけてメールのやりとりを重ねてから会う方もいます。こちらからスケジュールを急かすことはありません。
Q. 面談で断られることはありますか?
あります。面談はお互いを確認する場です。クロスブルー側から「今は難しい」とお伝えする場合もありますし、参加者側が「やっぱり違う」と判断される場合もあります。どちらも、適切な判断だと思っています。
Q. 初回の活動は、必ずセックスまで進みますか?
進みません。「今日はここまで」という線引きを、事前と当日の両方で確認します。初回は話すだけで終わることも多くあります。
Q. 一度参加したら、定期的に来なければいけませんか?
そういった義務はありません。次に連絡するタイミングは、参加者の側で自由に決められます。数ヶ月空いてから「またお願いしたい」という連絡をもらうことも、普通のことです。
運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。