セーフワードって必要?「やめて」を伝える合図の話

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。

「セーフワード」という言葉を聞いて、特別な世界の話だと感じる人がいます。

実際は、もっと当たり前の仕組みです。「ここでやめたい」を確実に伝えるための、あらかじめ決めておく合図。これがあると何が変わるのか、本当に必要なのかを、現場の感覚で書きます。同意とセットで知っておくと、安心の質が上がります。


「やめて」が届かないことがある、という前提

なぜ合図を決めるのか。それは、ふつうの「やめて」が、その場でうまく届かないことがあるからです。

雰囲気の中で言いそびれる。「やめて」がじゃれ合いの一部だと受け取られる。本当に嫌なのに、強く言えない。こうしたすれ違いを防ぐために、「この言葉が出たら、理由を問わず必ず止まる」という合図を先に決めておく。それがセーフワードの考え方です。同意がその場で更新されるものだという話は「同意」って何?セックスにおける同意の考え方に書きました。

合図は、不信の表れではありません。安心して進むための、共通のブレーキです。


言葉でなくてもいい

あらかじめ決めた合図が、確実な停止につながることを示す抽象図

合図は、特定の単語でなくても構いません。大事なのは「これが出たら必ず止まる」と事前に共有されていることです。

ふだん使わない言葉を一つ決めてもいいし、声が出しにくい状況を考えて、手を二回握る、といった動作の合図を決めてもいい。要は、迷わず発信できて、相手が確実に受け取れるもの。決めておくこと自体が、「いつでも止められる」という安心になります。クロスブルーが「気が乗らなければやめていい」を前提にしているのも、この発想の延長です。

形式より、「止まることが保証されている」という事実が効きます。


激しいことをしない人にも、関係ある

セーフワードはハードなプレイのためのもの、と思われがちですが、そんなことはありません。

「今日はここまでにしたい」「少し休みたい」を言いやすくする仕組み、と考えると、誰にとっても役に立ちます。特別なことをするかどうかと関係なく、止めたいときに迷わず止められる手段を持っておく。それだけで、その場に身を置く安心感が変わります。試したいことがある人も、まだ何も決めていない人も、同じです。


合図が機能するかは、相手次第でもある

正直に書くと、どんな合図を決めても、相手がそれを尊重しなければ意味がありません。合図を無視する相手の前では、セーフワードは飾りになります。

だから本当に大事なのは、合図を決めることと同時に、「止まってくれる相手か」を見極めることです。クロスブルーが男性を入り口で絞り、待てない人・欲求優先の人を外しているのは、この「止まれる相手」を担保するためでもあります。男性に求める姿勢はセックスサークルの男性は、どんな人?に、断れる前提は安全とルールに書きました。

合図は仕組み、それを守るのは相手。両方そろって、はじめて安心になります。


よくある質問

Q. セーフワードは、必ず決めないといけませんか?

義務ではありませんが、「止まりたい」を確実に伝える手段として有効です。決めておくこと自体が安心になります。

Q. 言葉が出せない状況では、どうすればいいですか?

声以外の合図を決めておけます。手を握る回数など、確実に発信・受信できる動作で構いません。

Q. 合図を決めても、守ってもらえるか不安です。

合図が機能するには、止まってくれる相手であることが前提です。クロスブルーは、待てない相手を入り口で外すことでそこを担保しています。


運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。

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