産後、性のことが変わってしまった女性へ

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。

出産や育児を境に、性のことが以前と変わってしまう。これは、とてもよくあることです。

性欲がわかなくなった。夫に触れられたくない。自分の体が、自分のものでないように感じる。あるいは逆に、満たされなさが急に大きくなった。どれも珍しくないのに、誰にも話せず、「母親なのに」と自分を責めてしまう。そういう声を、相談の中で聞きます。

まず、その変化はあなたが薄情になったわけではありません。


変化には、体と生活の両方が関わる

産後の性の変化には、いくつもの要素が重なります。

ホルモンの変化、睡眠不足、体の回復、慣れない育児の負担。さらに、「母親」という役割と「ひとりの女性」という感覚の間で、自分でも整理がつかなくなる。これは気持ちの弱さではなく、状況がそうさせています。体の不調(痛みや不快感が続くなど)がある場合は、まず産婦人科で相談することをすすめます。クロスブルーは医療の代わりにはなりません。

そのうえで、体ではなく「気持ちの置き場」の話なら、できることがあります。


産後、セックスはいつから再開していい?

「産後 セックス いつから」は、よく検索される問いです。一般的な目安として言われるのは、産後1か月健診で医師から問題ないと言われ、悪露が終わり、会陰の傷や帝王切開の回復が進んでから、というあたりです。ただし回復のペースには大きな個人差があります。痛みや出血が残っているうちは、無理をしないでください。最終的なゴーサインは、ネットの情報ではなく1か月健診などで医師に確認するのが確実です。クロスブルーは医療の場ではないので、体の判断は産婦人科の領域になります。痛みが続いて性がつらい場合は痛い、濡れにくい。体のことで性がつらい方へも読んでみてください。

そして、ここからが大事なところです。体が「再開していい」状態になることと、気持ちが追いつくことは、別の話です。医師にOKと言われても、その気になれない。痛そうで怖い。再開したけれど、以前と同じには感じられない。そういう人はたくさんいます。体の準備が整っても気持ちが動かないのは、おかしいことではありません。むしろ、本当の戸惑いはここから始まることが多いように思います。


「母親」と「女性」を、分けて考えていい

役割と、ひとりの女性としての自分を切り分けることを示す抽象図

産後の苦しさの一つは、「母親である自分」が「女性である自分」を押し込めてしまうことです。

母親なのに性のことを考えるなんて、と罪悪感を持つ。でも、母親であることと、性を持つひとりの女性であることは、両立します。どちらかを消す必要はありません。性に興味を持つこと自体は普通だ、という話は女性の性の好奇心は「普通」に、罪悪感のほどき方は性に興味があることへの、罪悪感についてに書きました。

「母親なのに」を、一度外して考える。そのための場所として、話を聞くことはできます。


夫としたくない、を責めないでほしい

「夫としたくない」という感覚も、よく聞きます。これも、あなたが冷たいからではありません。

育児の中で相手が「もう一人手のかかる人」に見えてしまったり、役割の疲れが性の気持ちを覆ってしまったり。理由はさまざまです。レスの状態に苦しんでいるならセックスレスを、誰に相談すればいいのかわからない方へを、満たされなさを抱えているなら「満たされない」と感じている女性へも読んでみてください。

どうしたいかは、急いで決めなくて大丈夫です。まず、変わってしまった性のことを、責められずに話す。そこから始められます。クロスブルーは急かしません。


よくある質問

Q. 産後で性欲がないのですが、相談していいですか?

構いません。「性欲がない」状態の相談も普通にあります。何かを試すことを前提にせず、話すだけで構いません。

Q. 体の痛みや不調があります。

体の不調は、まず産婦人科など医療で相談してください。クロスブルーは医療の代わりにはなりません。気持ちの置き場の話は、別に聞くことができます。

Q. 母親なのにこんな相談、と思ってしまいます。

母親であることと、性を持つ女性であることは両立します。そう感じてしまうこと自体を、責められずに話せます。

Q. 産後、いつからまた性欲がわいてくるものですか?

決まった時期はありません。数ヶ月で戻る人もいれば、一年以上かかる人もいて、個人差がとても大きい。「いつまでに戻らないとおかしい」という基準はありません。焦らなくて大丈夫です。体の不調が関わっていそうなら、まず産婦人科で相談してください。

Q. 夫に触られたくないのは、いつまで続くのでしょうか。

これも人によります。期間で区切れるものではなく、体の回復や育児の負担、関係の状態が重なって決まります。「冷たい妻」になったわけではありません。責めずに、まず気持ちを言葉にするところから始められます。


運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。

まずは、話すところから。

参加するか決めていなくても大丈夫です。不安なことからご相談ください。

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