性欲がわかない自分は、おかしいのか

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。
性のことに興味が持てない。性欲がわかない。それを「おかしい」と悩む人がいます。
セックスサークルのサイトでこの話をするのは、少し意外に思われるはずです。でも、「性欲がない自分は欠けているのか」という悩みは、性に積極的な悩みと同じくらい、よく聞きます。先に言っておくと、性欲の強さに「正解」はありません。
「あるべき性欲」という幻
世の中には、「健康な大人なら性欲があるはず」という、ぼんやりした前提があります。この前提のせいで、性欲がわかない人が「自分は欠けている」と感じてしまう。
でも、性欲の強さは人によって大きく違います。時期によっても変わるし、もともと弱い人もいる。それは欠陥ではなく、個人差です。「あるべき性欲」という基準の方が、実態に合っていないことが多い。性に積極的であることが普通なのと同じくらい、淡白であることも普通です。好奇心の個人差については女性の性の好奇心は「普通」に書きました。
まず、「ない自分」を異常だと決めつけないでください。
比べる相手の話は、たいてい話半分
「まわりはもっとしているのに」と比べて落ち込む人がいます。でも、人の性の話は、表に出てくる時点でかなり脚色されています。
多い方に話を盛る人はいても、「最近わかなくて」とわざわざ言う人は多くありません。だから、見聞きする「普通」は、実際より多めに見えています。比べているサンプルが、そもそも偏っているのです。頻度の「普通」がいかに当てにならないかはセックスの回数に「普通」はあるのかに書きました。
他人の数字に、自分の状態を合わせにいかなくて大丈夫です。
わかないなら、無理に持たなくていい

性欲を「持たなきゃ」と無理にがんばると、たいていうまくいきません。義務になった性は、ますます遠のきます。
クロスブルーは、性欲を煽る場でも、性を勧める場でもありません。「興味がわかない」という状態のまま来てもらって構わない。何かを試すことを前提にせず、ただ話す。むしろ、「なぜわかないのか」「いつから変わったのか」を、責められずに整理する方が役に立つことがあります。話すだけで終えていいことは女性の参加・相談の流れに書きました。
無理に性欲を作るのではなく、今の状態をそのまま扱う。それでいいです。
「変わった」場合は、背景があることも
もともと淡白なのではなく、「以前はあったのに、わかなくなった」という場合は、背景があることがあります。
疲れ、ストレス、関係の変化、出産や体調。体の不調が関わっていそうなら、まず医療で相談してください。クロスブルーは医療の代わりにはなりません。産後の変化については産後、性のことが変わってしまった女性へに、関係の中で満たされなくなった話は「満たされない」と感じている女性へに書いています。
変化の背景を、ひとりで「自分のせい」にしないでください。話して整理する方が、ずっと楽になります。
よくある質問
Q. 性欲がないのに、セックスサークルに相談していいのですか?
構いません。「性欲がない」「興味がわかない」という相談もあります。性を勧める場ではないので、その状態のまま話せます。
Q. 無理に性欲を持つべきですか?
持つべき、ということはありません。無理に作ると逆効果になりがちです。今の状態のまま扱って大丈夫です。
Q. 以前はあったのに、急にわかなくなりました。
体調が関わっていそうなら、まず医療で相談してください。気持ちや関係の背景は、責められずに整理する手伝いができます。
運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。