「同意」って何?セックスにおける同意の考え方

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。
「同意」という言葉は、最近よく聞くわりに、中身がぼんやりしたまま使われがちです。
「OKって言ったかどうか」くらいの理解で止まっている人が多い。でも、安全な場をつくるうえで、同意はもっと具体的で、もっと動きのあるものです。クロスブルーが16年やってきて、現場で大事だと感じてきた同意の考え方を、できるだけ普通の言葉で書きます。

同意は「一回もらって終わり」ではない
よくある誤解は、同意を「最初に一回もらえば、その先は全部OK」と考えることです。これは違います。
同意は、その場その場で更新されるものです。ここまではいいけれど、この先は分からない。さっきはよかったけれど、今は気が乗らない。これは全部、正当な変化です。一度始めたら最後まで続けなければいけない、ということはありません。クロスブルーが「気が乗らなければやめていい」を最初から最後まで前提にしているのは、同意がこうして動くものだからです。
途中でやめられることについては初めてのセックスサークル。当日の流れと、持っていくものにも書きました。
「断れる」が成り立っていないと、同意は形だけ

同意で一番大事なのは、「断れる」が本当に成り立っているかです。
断ったら不機嫌になる、断ったら気まずくなる、断ったら帰りにくい。そういう空気の中で言う「いいよ」は、同意の形をしているだけで、中身がありません。本当の同意は、「嫌なら嫌と言っても大丈夫だ」と思える状態でのYesです。
だからクロスブルーは、断ることを気まずくさせない空気を、安全の前提に置いています。お金が絡まないことも、ここに効いています。「払ったのに」「もらったのに」がないと、損得抜きで断れる。この構造はお金が絡む場との違いに書きました。
言葉で確認することは、無粋ではない
「いちいち聞くのは雰囲気を壊す」と思う人がいます。でも、確認は無粋ではありません。むしろ、確認できる関係の方が、安心して踏み込めます。
「これは大丈夫?」「今日はここまでにする?」と言葉にできること。相手の小さなためらいに気づいて、止まれること。これは技術というより、相手を一人の人として扱っているかどうかの問題です。安全とルールの全体像は安全とルールにまとめています。
同意は、ルールを守るための堅い手続きではありません。お互いが安心して関わるための、ごく当たり前の配慮です。
お酒や雰囲気の中での「いいよ」について
同意を考えるとき、お酒や場の雰囲気は無視できません。
酔っていて判断がはっきりしない、雰囲気に流されてなんとなく頷いた。こうした状態での「いいよ」は、しっかりした同意とは言えません。後から「本当はそうしたくなかった」と残ることもあります。だから、酔いの勢いで進めない、迷いが見えたら止まる、というのは、相手を守ると同時に自分を守ることでもあります。クロスブルーが急がない進め方をするのは、ここにも理由があります。
よくある質問
Q. 同意があれば、何をしてもいいのですか?
いいえ。同意は前提のひとつであって、安全や法令、健康への配慮と合わせて成り立ちます。同意さえあれば何でも、という話ではありません。
Q. 途中で気が変わったら、わがままになりますか?
なりません。気が変わることは正当です。途中でやめることを、わがままだと思わせる場の方が問題です。
Q. うまく断れる自信がありません。
断りやすい空気をつくるのは、本来こちら側の責任です。「今日はやめておきます」の一言で十分に伝わります。
運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。