性癖を、誰にも言えない女性へ

クロスブルーを運営する中で、相談の現場で見聞きしてきたことをもとに書いています。専門的な医療や性教育の解説ではありません。体の不調は医療機関に相談してください。
性癖の話は、たいてい一人で終わります。
検索して、自分と似た人がいないか探して、それでも誰にも言えないまま閉じる。パートナーに打ち明けて引かれたらと思うと言えないし、友人に話せばどこかに残る。クロスブルーへの相談でも、「これは初めて人に言います」という前置きから始まることがよくあります。
打ち明けられない理由のほとんどは、性癖そのものではなく、「引かれること」への恐れです。そこを分けて考えると、少し見え方が変わります。
「引かれるかどうか」は相手の問題でもある
自分の性癖を打ち明けて引かれたとき、人はそれを「自分がおかしいから」と受け取りがちです。でも、引くかどうかは、聞いた相手の引き出しの広さにもよります。
たまたま打ち明けた相手が、その話に免疫がなかった。理解する準備がなかった。それだけのことも多い。相手一人の反応を、自分という人間への評価だと思い込まないでほしい、といつも思います。問題は、打ち明ける相手を間違えやすいことの方にあります。
身近な人ほど、関係が壊れるのが怖くて言えない。この構図はパートナーに言えない性の悩みは、どこで話せばいいのかにも書きました。
「話せる相手」と「試せる相手」は分けていい

性癖を抱えていると、「話す」と「実行する」が一直線につながっているように感じます。打ち明けたら最後、やらなきゃいけない気がする。そこも切り分けられます。
まず、話すだけの段階があっていい。「こういう興味があるんです」と言葉にして、否定されずに受け取ってもらう。それだけで止めておける。試すかどうかは、ずっと後の、別の判断です。クロスブルーが相談と面談から始めるのは、この「話すだけ」の段階に居場所をつくるためでもあります。
打ち明けることと、行動することを分ける。それだけで、ハードルはかなり下がります。
ネットで似た人を探すのと、話すことの違い
打ち明けられないとき、多くの人はまずネットで「自分と似た人」を探します。それで少し安心することもあります。
ただ、画面の向こうの匿名の書き込みは、こちらの話を聞いてはくれません。読むだけでは、「自分のこの気持ち」を受け取ってもらう経験にはならない。似た人がいると知ることと、自分の言葉が否定されずに受け取られることは、別のことです。後者の方が、抱えてきた重さにはよく効きます。だから、読むだけで終わらせず、一度きちんと話してみる選択肢も持っておいてください。
否定しないことを、運営の前提にしている
クロスブルーは、性の好奇心や性癖を否定しないことを、運営の柱のひとつにしています。安全と同意、法令は最優先にします。そのうえで、知りたい・試してみたいという気持ちを、頭ごなしに止めることはしません。
「怒られなかった」「引かれなかった」という反応を、相談のあとに聞くことがあります。自分の中でずっと異物だったものが、口に出して、普通に受け取ってもらえた。その経験自体が、内容を試すかどうかとは別の意味を持つことがあります。好奇心を肯定する考え方は女性の性の好奇心は「普通」にも書いています。
もちろん、何を話しても安全な範囲は守ります。安全の考え方は安全とルールにまとめています。
よくある質問
Q. かなり特殊な性癖でも、引かれませんか?
内容で判断して切り捨てることはしません。安全・同意・法令の範囲であることは前提ですが、その中なら、否定されずに話せます。
Q. 打ち明けたら、必ず実行することになりますか?
なりません。話すだけで終えていい段階を用意しています。試すかどうかは別の判断で、保留にできます。
Q. 話した内容が、外に漏れませんか?
個人情報や相談内容の扱いには注意しています。秘密の守り方についてはセックスサークルはバレる?個人情報と秘密の扱い方に書いています。
運営元:2009年から東京で続く非商業セックスサークルクロスブルー。参加費や紹介料は頂かず、女性が安心して相談できることを大切に運営しています。